令和6年

④ 【見えない都市像】令和6年第1回市会定例会 予算関連質疑

会議日:令和6年2月22日
( 令和6年第1回市会定例会【 予算関連質疑】 )

④ 見えない都市像

山下正人

次に財政課題、市長のビジョンについてお伺いします。

横浜市は、今まで「選択と集中」今回は「創造と転換」言葉遊びが続きますが、いずれも通常の事業見直しの域を出ません。事業の統廃合や手法・主体の抜本的な見直しをして、初めて「創造と転換」ではないでしょうか?

そこで、

山下正人

市長が考える「創造と転換」とはこの程度の事業見直しのレベルなのか?見解をお伺いします。

市長

これまでの硬直した予算構造から、柔軟な構造へと2030年までの減債基金の臨時的活用から脱却をしながら、かつ、持続可能な市政運営を進めていくための歳出改革の理念であります。私自身がリーダーシップを発揮するとともに、区局統括本部が、主体性自律性を発揮しながら、この「創造・転換」による歳出改革にしっかりと取り組んでまいります。

山下正人

令和6年度は191億円の税収増が見込まれます。横浜市が何か努力をしたというより、個人所得の増加や企業業績の伸びによるものです。

この増収を元に横浜市は新戦略を打ち出すのではなく、市長の思い入れの強い事業や社会保障費の増加に充てています。

今回の予算は、

山下正人

極めて、短期的・短絡的な予算案に感じるが、市長の見解を

市長

人口減少・少子高齢化の進展や地球温暖化、激甚化する自然災害など大変多くの課題がある中で、将来を見据えて市政を前進させ、横浜の活力を未来につなげるという考えの下で、6年度予算案の編成を行いました。中期計画の基本戦略の実現に向けて盛り込んだ様々な取組、また、将来世代に過度な負担を負わせない財政の健全性維持、この2つの両立を、先々を見据え具体化いたしました。

山下正人

また、税金という公金を使う以上、公平性の観点は極めて重要です。

市民利用施設の利用者の固定化など受益と負担を検討せねばなりません。

特に敬老パス。今後、地域交通等で敬老パスを活用すれば、同じ交通弱者であっても、高齢者と若者の間に世代間の不公平感が益々高くなります。

そこで、

山下正人

市長が考える公平性について、見解をお伺いします。

市長

中期計画の基本戦略は、子育て世代への切れ目のない支援により、子育て世代の転入促進を図り、高齢者を支えていくなどの好循環の創出を目指しています。加えて、コミュニティづくり、高齢者福祉、経済活性化、災害対策など、総合的に取組を進めていきます。

これらにより世代を問わず、誰もが生き生きと安心して暮らすことができる市民生活を実現していきます。

山下正人

財源の創出においても、各局に予算の見直しを迫るばかりで、横浜市は何に優先順位をつけて予算編成しているのか基準がわかりません。

各局の重複事業を精査するにもデータが揃っていません。これまでの事業評価シートも、自己満足的な文章で記載され、よくよく読むと「どれもこれも必要です」とまとめられているだけで有名無実化していました。

以前の財政当局が予算査定をしていた時代は、横浜市の予算を俯瞰的に見るデータも人材も揃っていましたが、現在ではその様な制度にはなっていない為に、毎年毎年、見栄えのしない財源創出になっているのではないでしょうか?

そこで、

山下正人

横浜市の予算編成を俯瞰的に見られる様に、裏付けとなるデータとサポートする体制を作るべきと考えますが?市長の見解

市長

新たな財務会計システムを基盤とした行政経営プラットフォームを構築しながら、予算編成から評価という一連の流れとして、データに基づいた検討と判断によって実践していく、そういう経営サイクルを全庁的に確立いたします。

このようにして政策・施策の質を高め、施策・事業の新陳代謝を進めること、こういった都市経営の戦略的な進め方を実践してまいります。

山下正人

市長もご存知と思いますが、横浜市には、「横浜市基本構想」という長期ビジョンがあります。この長期ビジョンは、市民全体で共有する横浜市の将来像で、その実現に向けて、横浜市を支えるすべての個人や団体、企業、行政などが課題を共有しながら取り組んでいくための基本的な指針となるもので、2025年頃までを展望し、2006年に策定しました。

山下正人

今は時代の変化が激しく、先が見通しにくい社会です。20年、30年も先のことを、長期ビジョンで策定する時代ではないという市長はお考えでしょうか?お伺いいたします。

市長

社会の変化が激しい中では、長期的な指針は固定的なビジョンではなく、時代に合わせて変化していく必要があると考え、中期計画と一体的に2040年頃の姿として「共にめざす都市像」を策定しました。その都市像は、中期計画の策定ごとに柔軟に見直すことができるものとしています。

山下正人

地方自治法が、平成23年に改正されました。かつてのように、自治体は長期ビジョンを策定する義務はなくなっています。ですから、長期ビジョンを考える必要はないという考えもあると思います。

ですが、市長、どうでしょうか。

山下正人

なかなか見えない市長の都市像を、短期的・短絡的な予算案とならないためにも、長期ビジョンとして、正々堂々と示していくという方法もあるのでないかと思いますが、市長の見解をお伺いします。

市長

昨年度、将来にわたる安定した市政運営の土台となる、持続可能な財政運営を実現するため、中長期の財政方針として財政ビジョンを策定しました。

この財政ビジョンや中期計画に掲げた「共にめざす都市像」を踏まえながら、現在の市民の皆様はもちろん、将来の市民生活も守るため、活力ある横浜を今後も持続的に発展させるための市政運営を行ってまいります。

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