農福連携

視察

社会福祉法人青葉仁会が進める農福連携施設を視察

農業と福祉の連携、すなわち「農福連携」は、過疎化と高齢化が進む地域に新たな活力をもたらす革新的な取り組みです。今回は、奈良市の中山間地域にある社会福祉法人青葉仁会が進める農福連携施設を視察しました。
過疎化が進むこの地域では、30年前に障害者支援施設を積極的に誘致しました。
障害者グループホームなどは近隣住民の反対により誘致が難しいですが、当該地域では衰退する地域の活力を求めて施設を受け入れました。今では、トラブルを起こす施設利用者を含めて、街は障害者の受け入れに理解があります。

青葉仁会は入居者100人を含め施設利用者500人、法人としての雇用340人、施設の売上3~4億円という規模に成長し、地域の産業として確立しています。これは非常に珍しい事例です。青葉仁会は障害者雇用の場として、農場の経営、農作物を利用した6次産業のレトルト食品工場(廃校した学校を購入して工場に転用)、石鹸工房の運営、都市部でのレストランやカフェの運営も行っています。

社会福祉法人というより、多角化した営利法人のセンスで経営がなされています。
視察中、青葉仁会のスタッフと直接話す機会があり、彼らの情熱と努力に感銘を受けました。
特に、地域住民との協力体制が青葉仁会の成功に大きく寄与していることを強く感じました。
横浜では、農福連携の規模はどうしても小さくなります。精神障害などは農業が障害者の自立支援のメニューに合うので、積極的に進めたいのですが、2つの大きな課題が壁になります。

2つの大きな課題が壁

一つは、サポート支援をする農業従事者の人材です。
福祉の視点だけでなく、農業生産物として質の高い商品を提供できる体制が必要です。
もう一点は、農地法の壁です。
障害者の体調管理の必要性から作業場である農地に休憩のための施設が必要ですが、農地に建物は建築できません。

他にも課題はありますが、農福連携は人材不足の農業にとっても、福祉現場のニーズからも進める必要性が高いと思います。
農業従事者の支援については、専門のトレーニングプログラムやワークショップを開催することが考えられます。
また、農地法の問題については、特例措置を求める法改正の提案や、既存の施設を活用するアイデアも検討する価値があります。

農福連携は、地域社会の活性化と障害者の自立支援に大きな可能性を秘めています。
今後も横浜市として、これらの課題に真摯に取り組み、持続可能な農福連携の実現を目指します。

 

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