さすてな京都
横浜市が保土ヶ谷工場の建て替えに際し、付帯する環境教育施設の内容を検討する中で、「さすてな京都」が参考になるとの推薦を受け、訪問する機会を得ました。
「さすてな京都」は、京都市南部クリーンセンターに併設された環境学習施設で、ゴミ焼却場の建て替えと同時に設置されました。施設の設計は、当初から見学者ルートを考慮しており、ゴミ焼却場の機能を紹介する工夫が施されています。訪問者は、楽しみながら学べるデザインとコンテンツを提供されています。
タブレットとスマートフォンの利用
見学者にはタブレットが貸し出され、子供用と大人用のそれぞれの説明資料を閲覧することができます。また、VR映像も提供されています。ただし、タブレットの台数には限りがあるため、今後はスマートフォンを活用する方が効率的かもしれません。美術館などでも同様の傾向が見られるように、IT機器はシンプルで使いやすいことが求められます。
環境教育の新たな方向性
多くのゴミ焼却場には環境教育施設が付帯されていますが、その内容は焼却場の機能説明に偏りがちです。ゴミの減量化やゴミ発電量の掲示はあるものの、子供たちのイマジネーションを刺激するような仕掛けが少ないと感じました。
昭和45年に制定された廃棄物処理法は、公害対策としてゴミの適正処理を目的としており、燃やすか埋めることを前提としています。しかし、現代はリサイクルの時代であり、ゴミを資源として有効活用する必要があります。資源の乏しい日本だからこそ、ゴミをエネルギーや資源として活用する新しいアイデアや技術が求められます。現在はコストの問題で新技術は進みませんが、今後は「さすてな京都」の様な施設を訪れた子供たちが将来、日本の先進技術を生み出し、新産業を創造することを期待しています。横浜の保土ヶ谷工場では夢のある環境学習施設にしたいと思ってます。