ZEBとは?
ZEB(Zero Energy Building)の略称で、「ゼブ」と呼びます。
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物。
鈴廣 新本社のZEBの施設を見学
小田原にある鈴廣さんを訪問しました。
鈴廣と言えば蒲鉾屋さんの老舗です。今回は本業の蒲鉾ではなく、新本社のZEB(Zero Energy Building)の施設を見学し、副社長に脱炭素の想いをお聞きするのが目的です。
ZEBは建物で消費する年間エネルギー収支を実質ゼロにする建物です。
鈴廣では、地下水を汲み上げ冷暖房に活用したり、日中の照明を使わないために、外光の活用を最大限にできる工夫などが随所に見られます。
完全なZEBを目指すには、建築設計時から計画するのが肝要です。
きっかけは東日本大震災
鈴廣の副社長である鈴木氏は小田原商工会議所の会頭なども務められる地元の名士である一方、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議の代表でもあります。
鈴廣さんは生物を扱うので、電気が止まると商品が維持できなくなり営業ができません。
東日本大震災の時に原発が止まり、東電が計画停電を実施せざるを得ない状況に、創業来の危機を感じたそうです。
今まで、事業維持の為に最も重要なエネルギーを他者に依存するリスクを考えて、自前のエネルギー供給を考えたとのことです。
エネルギーの地産地消は地域経済に大きな貢献をもたらす
今まで、電気・ガス等のエネルギーは大手電力・ガス会社に依存するのが常識でしたが、東日本大震災を契機に再生エネルギーの必要性が注目されてきました。昭和の初期には電気もガスも地産地消している地域がほとんどでしたが、高度経済成長のために、国策として現在の10大電力が大規模供給するために設立されました。
コロナによる外出制限をきっかけに、小さな経済圏の見直しが必要になると思います。
エネルギー産業は重要なインフラであると共に、産業・経済に与えるインパクトも大変大きいものがあります。
小田原市の20万人弱の人口でもエネルギーを地産地消することで、今まで東京資本の大手企業の収益になっていたものが、地域経済にインパクトをもたらします。大体300億円程度のお金が小田原に循環すれば経済的インパクトは絶大です。
横浜市は小田原市の18倍以上の人口がありますので、エネルギーの地産地消は経済政策として検討したいと考えています。今回は鈴廣さんで熱い思いを聞かせていただき、大いに刺激になりました。