緊迫する国際情勢と、問われる資源自給の覚悟
現在、イランとイスラエル、そして米国を巻き込む中東情勢の緊迫化により、世界的に物資の供給網(サプライチェーン)が滞るリスクが現実味を帯びています。
エネルギーや原材料の多くを海外に依存する日本にとって、これは単なる経済問題ではなく、国家の安全保障に直結する課題です。
物が入ってこない不安が広がる今だからこそ、国内にあるものをいかに再利用するか。「捨てればゴミ、活かせば資源」という視点を、今一度、戦略的に捉え直す局面に来ています。
「都市鉱山」というフロンティアと横浜の技術力
資源の少ない日本ですが、廃棄物の中に眠る有用な資源を掘り起こす「都市鉱山」としてのポテンシャルは極めて高いものがあります。
日本の廃棄物処理技術は、かつての公害問題を乗り越える過程で世界屈指のレベルへと高度化してきました。
特にここ横浜市には、環境技術への投資を惜しまず、資源循環に意欲的な企業が数多く集まっています。この民間の知恵と熱意こそが、横浜、そして日本の未来を切り拓く原動力です。

制度の矛盾:リサイクルの優等生を阻む「ルートの壁」
しかし、現場には法制度が生んだ大きな壁が立ちはだかっています。現在の「廃棄物処理法」は、公害防止を主眼に制定された歴史があるため、「いかに安全に処分するか(適正処理)」には長けていますが、「リサイクルを効率化する」という視点が希薄なのです。
その象徴的な事例が、ペットボトルです。
ペットボトルは、市民の皆様の協力によって高い回収率を誇る、いわば「リサイクルの優等生」です。
しかし、この優等生ですら、排出される場所によって処理ルートが分断され、非効率な処理を余儀なくされています。
中身は全く同じペットボトルであっても、法律上の分類が異なるために別々の車両が走り、別々のルートで運ばれる。
この縦割り構造が、物流の重複やコストの増大を招き、資源循環の効率化を大きく阻害しているのが実情です。
横浜市の強み:産廃・一廃事業者の稀有な連携
こうした制度上の非効率がある中で、横浜市には全国に誇れる独自の強みがあります。
それは、一般廃棄物を扱う事業者と、産業廃棄物を扱う事業者の間で、非常にスムーズな連携が取れていることです。 これほど大規模な都市で、業域を越えた協力体制が構築されている自治体は他に類を見ません。
この「現場の連携力」こそが、法律の隙間を埋め、実効性のあるリサイクルを実現するための横浜最大の武器となります。
地方自治体の役目として:プラスチックの再資源化を加速
廃棄物処理法の抜本的な改正は国会議員の仕事ですが、現場の強みを活かし、現行制度の中で最大限に「廃棄物から資源を生成する」仕組みを作るのは地方自治体の責務です。
私は今後、特に石油製品であるプラスチックのマテリアルリサイクル(製品から製品への再資源化)を強力に推し進める政策を後押ししていきます。
単に燃やして熱を利用するだけでなく、資源として何度も循環させる体制を整えることは、脱炭素社会の実現と、日本のエネルギーセキュリティの強化に直結します。

終わりに
廃棄物を「処理すべき厄介者」と見る時代は終わりました。これからは「戦略的な資源」として磨き上げる時代です。
横浜が持つ高度な技術力、企業の熱意、そして事業者間の連携という強みを結集し、世界に先駆けた資源循環型モデルをここ横浜から発信してまいります。
横浜市会議員:山下正人