令和8年度予算委員会で、市の姿勢を問う
「痛くても半年待ち」という過酷な現実
横浜市中区にある「横浜市歯科保健医療センター」をご存知でしょうか。
ここは、一般の歯科医院では治療が困難な、重度の障害があるお子さんなどが治療を受けるための「最後の砦」です。
障害特性による不随意運動(体の動き)やパニック、極度の嘔吐反射がある場合、通常の治療は困難を極めます。
鋭利な器具による治療中の事故を防ぎ、また患者さんに恐怖心やトラウマを植え付けないためにも、全身麻酔や静脈内鎮静法を用いた「安全な治療」が不可欠なのです。
しかし現在、このセンターは予約が殺到し、初診から治療まで「約6ヶ月待ち」という異常事態が常態化しています。
想像してみてください。歯の痛みや不調を抱えたまま、半年間も耐えなければならない苦しみを。
そして、それを支えるご家族の心労を。これは単なる「混雑」ではなく、医療へのアクセスが閉ざされているに等しい、人権に関わる重大な問題です。

名古屋市との格差、そして自民党市議団の視察
この現状を打開するため、我々自民党横浜市会議員団は現場へ飛びました。
先進的な取り組みを行う名古屋市への視察、そして足元の横浜市歯科保健医療センターの現状視察を通じ、課題認識を深めてきました。
そこで目の当たりにしたのは、あまりに大きな「都市間の格差」です。
人口約230万人の名古屋市では、全身麻酔下での歯科治療ができる拠点が5箇所確保されています。
対して、人口約377万人のここ横浜では、中区のセンター1箇所に負荷が集中し、パンク状態に陥っています。
この圧倒的な体制の差は、これまで本市がこの問題を後回しにしてきた結果と言わざるを得ません。
限界を迎えた施設と、進まない予算化
さらに深刻なのが、センター自体の「施設の老朽化」です。
横浜市歯科医師会からは、長年にわたり「現在の施設・設備では限界がある」「新センターの設置や機能拡充が必要だ」という切実な要望が出され続けています。
現場の歯科医師やスタッフは、老朽化した設備の中で、懸命に市民の健康を守り続けてくれています。
しかし、市の当局(行政)の動きはあまりに鈍いと言わざるを得ません。
「検討する」という答弁は繰り返されるものの、抜本的な改善に向けた予算化は遅々として進んでいません。
現場からの悲鳴にも似た要望に対し、行政がリスクと緊急性を十分に認識していないことが、この停滞の最大の原因です。

来る予算関連質疑で、改善への道筋を
もちろん、理想を言えばすぐにでも「第2センター」の建設や、大規模な新センターへの移転が必要です。
しかし、新しいセンターを作るには時間がかかります。半年待ちで苦しんでいる市民がいる今、悠長なことは言っていられません。
私は、目前に迫った令和8年度の予算関連質疑の場において、この問題を取り上げます。
まずは「既存施設の老朽化対策」と「機能維持のための予算」を確実に計上させること、そして将来的な新センター整備に向けた具体的な道筋を示すことを、当局に対して強く迫ります。
決意:誰もが当たり前に医療を受けられる横浜へ
老朽化した施設は事故の原因にもつながります。
また、古くなった医療機器の更新は、待ったなしの課題です、これらを放置すれば、センターそのものが稼働できなくなるリスクさえあります。
障害のある方も、そうでない方も、同じように必要な時に医療を受けられる。
それが「福祉先進都市・横浜」のあるべき姿です。
自民党市議団として、そして一人の政治家として、歯科医師会や現場の皆様と連携し、この予算質疑を通じて、停滞していた状況を必ず動かしてまいります。

横浜市会議員:山下正人