2兆円の血税は誰のためにあるのか
現在、横浜市政は大きな揺らぎの中にあります。山中市長によるパワーハラスメント疑惑を受け、いよいよ第三者委員会が設置され、事実関係の検証が始まることとなりました。
この問題の本質は、単なる個人の資質の問題に留まらず、行政組織そのものを機能不全に陥らせ、市民サービスの根幹を揺るがしているのではないかという点にあります。
私は、今回の疑惑解明を委員会に委ねる一方で、議員として極めて深刻な懸念を抱いています。
それは、現在審議されている「令和8年度予算案」が、真に市民の生活を第一に考えたものではなく、市長への「忖度」によって歪められてはいないか、という点です。
「天から降ってきた」1億3,000万円の予算
その象徴とも言える事例が、今回の予算案に突如として計上された「宅配ボックス設置支援」の予算、1億3,000万円です。
誤解のないよう申し上げますが、私は宅配ボックスの普及そのものには大賛成です。
私自身、これまでも物流業界の「2024年問題」に伴う再配達の削減、そして環境負荷を減らすCO2削減の観点から、設置支援の必要性を何度も当局に訴えてきました。
しかし、その際の当局の回答は「財政上の理由」による、にべもない即却下でした。
ところが今回、予算化された「宅配ボックス支援」は、私が提案してきた「物流・環境対策」ではなく、なぜか「盗難防止」を主眼とした内容で計上されています。
さらに不可解なのは、その検討プロセスです。
通常、予算編成は現場の課題を汲み取った職員による「ボトムアップ」で積み上げられるものです。しかし、今回当局に確認したところ、「職員からの提案ではない」と言います。
では「誰の提案なのか」と質しても、返ってくるのは「天から降ってきた」という、あまりに曖昧で不誠実な反応です。
もし、市長の一存、あるいは思いつきだけで1億3,000万円もの公金の使い道が決まってしまうのだとすれば、それはもはや公私の区別がつかない「公私混同の予算執行」と言わざるを得ません。

閉ざされた市長室の扉と「歪な行政」
懸念はこれだけではありません。
今回の予算案全体を見渡すと、行政当局が確かな課題認識を持っていても、市長が好まない団体や政策に関連する案件については、職員が萎縮し、市長室の扉を叩くことすらできない。そんな重苦しい空気が市役所を覆っていると感じざるを得ない場面が多々あります。
本来、横浜市の2兆円を超える巨大な予算は、職員一人ひとりが市民の声を拾い上げ、自由闊達な議論を経て決定されるべきものです。
しかし、職員が市長の顔色を窺い、機嫌を損ねないための「忖度予算」を作っているのだとすれば、横浜市政は「歪(いびつ)な行政」との謗りを免れません。
市長の不興を買えばハラスメントを受ける、あるいは左遷されるかもしれない。
そんな恐怖心が職員に蔓延し、行政の公平性や客観性が失われることこそが、今、横浜市が直面している最大の危機です。
2月20日、自民党を代表して質します
私は、来る2月20日、自由民主党を代表して予算関連質問に立ちます。
◆「天の声」で決まった予算に、市民の納得は得られるのか?
◆ 職員が誇りを持って、忖度なしに働ける環境は守られているのか?
これらの点を徹底的に追及し、山中市政の闇に光を当てていく覚悟です。
市民の皆様の大切な税金が、特定の個人の意志だけで動かされるようなことがあってはなりません。
健全な議論に基づく「当たり前の市政」を取り戻すため、全力を尽くしてまいります。

横浜市会議員:山下正人